先ほどの話に戻そう。
発注側であるクライアント(A氏)と、制作側のWebディレクター(B氏)はお互いの立場が大きく異なる。これは、立場の違いが招く初期症状であり、それぞれの役割が明確になっていないからこそ発生するトラブルの事例といえる。一言でいうなら、「オレはアナタじゃないし、アナタはオレじゃない」という理論、まさにトラブルのコアだ。
っていうか、「それって、ちゃんと契約書を交わせば済む話じゃないの?」との見解もあるが、それは「良いWebディレクションを実践する」というテーマにおいては不十分であり、必勝法にはならない。
そもそも、契約書とはその性質上、「いざトラブルが起こってしまった後で、事前に取り決めした約束を、改めて確認する際に効果を発揮する書類(発揮させるべき書類)であるから、「良いWebディレクターにとっての、事前のトラブル回避策」としては機能しにくいのだ。
ここはハッキリさせておきたいのだけど、「いざトラブって、問題が起こっちゃって、相手と揉めてしまってからでは、何もかもが遅いという事」。トラブルが起こる原因を根本から目をそらさずに捉えて考えられるかって事が、良いWebディレクションにおける美しい姿勢であると理解して欲しい。
例えば、今回の事例、A(発注側クライアント)はB(制作側ディレクター)の立場を全く理解していないし、BはAに自分の立場を理解させていない。そこに根本の原因があるとするならば、事前に、お互いの立場と役割を明確にして、さらにそれをお互いに理解して進めることで、この問題は回避できたかもしれない。
なんだか当たり前すぎて、まったくインパクトないポイント解説になるのが悔しいのだけど、ぶっちゃけこれだけの事なのだ。いや、マジで、たったこれだけを事前に抑えるだけで、トラブルは回避できる。
大抵の参考書や教本には、クライアントとのトラブルを減らすコツは、やれ「契約書」だの、やれ「情報共有」だの書いてあるにちがいないのだが、超WebディレクションblogにおけるWebディレクション道においては、「事前に、お互いの立場と役割を明確にして、さらにそれをお互いに理解して進める」という大前提がコツになる。ポイントは、「事前に」と、「理解して進める」という2点。


