2008年8月のアーカイブ

露出狂オーバードライブ 2

2008年8月23日

前回のコラムで、もはやオンラインだろうがオフラインだろうが、完全にプライバシーを守るには”無人島で生活するか、山ごもりするかしかない”と書いたのだけれど、タイムリーな事に先日、グーグルのストリートビューがプライバシーを侵害しているとして問題になった。

知っている人も多いだろうけど、このストリートビューはグーグルの地図サイト上の機能で、住所などで地点を指定すると、人海戦術でもって撮影された画像がオンライン上に保管され無料で見ることができる技術。

流石に顔がモロに映ってしまっているものなどはボカシ処理が施されていたり、ユーザー側からも削除要請が出来るようですが、それでも中には繁華街の路上で警官から職務質問を受ける男性や、ホテルに入ろうとするカップルなどの画像が沢山あるようで、アメリカでは裁判沙汰にもなっているようですね。

それに対して当のグーグルは「衛星技術の進歩を受けて、現代では砂漠の真ん中に居たとしても現代社会においては完全なプライバシーなどは存在しない」と言い放ったわけで、もはや無人島で生活してもプライバシーなど存在しないということでしょうか。

他方、前回書いたように、人々はプライバシー保護を一方で叫びつつ、積極的にプライバシー情報を公表してしまうという面がある。
一番わかりやすいのが、ここ数年表だってきたブログやSNS内における勤務先での悪ふざけや、飲酒運転を公表をする人々。

それが元で退学になったり、退職したり、洒落にならない事態にまで発展しています。最近のをざっとリストアップしただけでも、

これだけあるわけで。

あるワイドショーに出演していたコラムニストは、このような事件(?)が起こる背景には、日本人のモラルの低下が挙げられるとの指摘があったけど、それはどうにも的を射ていない気がする。

答えはもう少し単純で、かつては所謂オタクさんのプレイグラウンド だったネット界のインフラが急激に進んだ結果、ありとあらゆる人々がオンライン上に参入したからだと思う。

例えばネタとしても品のない「テラ豚丼」事件なんかにしても、取り分け(あくまでわかりやすい一つの例として)最も対極であるハズのヤンキー的な人達が(笑)普通にネットを使う時代になり、ヤンキー文化的メンタリティがあぶり出てきているだけだと思うんですよね。

つまり昔からこういうような事をする輩は沢山いたんだと。
更に今度は、それを取り締まる側の人達の過剰な動きというのもあるのですが。

なにはともあれ、悪行の公表と、日々炎上ネタを求め彷徨うオンライン・ボランティアパトロール隊、プラスして今回のストリートビュー問題なんかを併せて考えてみると、さながら「クライアント不在のスパイ合戦」或いは「露出狂同士による盗撮泥試合」を繰り広げているだけではないかという、なんともよくわからないアイロニカルな状況なわけだけど、ここまでの喜悲劇をリアルタイムで経験している僕たちは、随分とSFな世界に生きているのだなぁと感じている今日この頃です。